『からだとこころの不思議な関係』

普段からだは自律神経系・内分泌系・免疫系のバランスによって微妙に調節されています。
しかしストレスによりこのバランスが崩れたりすると、からだの病気が生じます。
逆にからだの病気はこころにも影響します。
また日常のストレスは食べ過ぎ・飲みすぎといった不健康な行動を通しても間接的にからだの病気を引き起こします。

ところでこの『こころ』と『からだ』の関係についてはどの程度わかってきているのでしょうか?
誰しも不安や恐怖に襲われると心臓がドキドキしたり、冷や汗が出たりします。
場合によっては胃が痛くなったり、また興奮すると血圧が上がったりします。
逆に風邪をこじらせ長引くと憂うつな気分になったり、空腹過ぎるとイライラしたりします。
ここで共通しているのは「情動」反応と呼ばれるものですが、こころとからだの関係を探るキーワードと言ってよいかもしれません。

脳の中も含め、からだの中では自律神経系・内分泌系、それに免疫系が複雑に絡み合い、こころと身体の関係を微妙に調節しているというわけです。
前述の症状は自律神経系のひとつ、交感神経の緊張状態で説明つきますし、またストレスにより女性の月経不順を来たすのは内分泌系の乱れからであり、試験のストレスで風邪をひきやすくなるのが免疫系の低下で説明できます。
ストレス状態が長期間続くとこれら三系の微妙なバランスは崩れ、こころだけでなく身体の病気も引き起こすというわけです。

こうしたことを手がかりにストレスによる病気を観察してみると、ストレスを上手に発散したり対処したりすることが下手であったり、ストレスをためやすい性格が原因で、からだの病気=心身症になりやすいことがわかってきました。

例えば、病気と性格傾向やストレスとの付き合い方、あるいはその人の持っている遺伝的素質との関係が注目されて来ています。
狭心症や心筋梗塞の発症に、⽬標達成感が少なく常に完全性を切望したり、いつも認められることを望み、多くのことにかかわり時間に追われるように加速度的に思考したりや⾏動する、精神的・⾝体的にてきぱきとした行動をする、という特徴を持つタイプA性格行動様式が関係していると海外では報告されています。
他方で直接的に関係しなくても、ストレスが食べ過ぎや飲みすぎといった不健康な行動を通して「生活習慣病」を間接的に引き起こしている点にも注目がなされています。