トレーニングの生理学

体の仕組みを知ると、自分や他人の眠っている能力をどう引き出すかのヒントに溢れている。トレーニングを仕事に置き換えて読んでも面白い。

ウエイト・トレーニングを適切に行うことによって、筋肉が発揮できる力が増大する。

筋力トレーニングによって効果が現れるの生理学的に次の2つの理由による。

【神経・筋系協調の改善】・・・要は今まで仕事をサボっていた奴が、上司にケツを叩かれ仕事をするので大きな力を発揮できるようになる。

(詳細)筋肉があまり太くならないのに、発揮できる力が増大することがトレーニング開始の初期によくある。

これは、筋肉を収縮させようとする神経系の働きが改善されたためと考えられている。

通常、人間が全力で筋肉を収縮させようとしても収縮しない筋線維がある。

そうしたことのよい例が、「火事場のバカ力」といわれるもので、精神的に異常な興奮状態になると、平常発揮しうる以上の筋力を発揮できるのである。

通常の10-20%も大きな力が発揮される。

このように、人間の筋肉は通常ある程度余裕を残して活動に参加しているわけである。

したがって筋出力を増強するトレーニングでは、精神を集中して収縮させようとする筋肉へ、よりたくさんの電気信号を同時に送るようにする。

その様に筋力トレーニングをすることによりトレーニング前には活動参加しなかった運動単位までが、同時に参加するようになるのである。

このようにして、筋肉の太さは変わらないが、筋力が増大するという結果が得られるのである。

【筋横断面積の増大】・・・継続的なトレーニングを行うと、数ヶ月後に筋肉自体がお大きく膨らみ成長する。

筋横断面積が増大することはウエイト・トレーニングを行う一般的にみられる現象であるが、これはあるトレーニングの条件(強度・ 時間・頻度)が十分な場合、ある期間が経過すると、タンパク質の同化という現象が起きて筋肉を構成する筋線維が肥大するからである。

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