「課題の分離」をここで簡単に説明しましょう。
恋人とのデート中に、恋人が不機嫌だったとします。
つい「私、何かダメなことを言ってしまったかな」「どこかで機嫌を損ねてしまったのだろうか」と気にする人がいます。
しかしながら、あなたがどんな発言をしようと、どんな態度をとろうと、「不機嫌になる」のは相手の問題です。
同じ言葉、同じ態度をとっていても、不機嫌になる人とならない人とがいるからです。
したがって、その人が「不機嫌」なのはその人の問題・その人の課題であって、あなたが気にする必要はない。
こうしたような意味が「課題の分離」です。
たしかに対人関係で、相手の態度に一喜一憂してしまうと、ふりまわされることになります。
相手には相手の考えがある。
相手には相手の受け取り方がある。
そうとらえて、気にしすぎないことは大切です。
また、「相手の問題・課題なのだから」と考えると、相手の顔色を気にしすぎずに、自分らしく振る舞い、発言することもできます。
そのため、「人間関係が楽になった」「嫌われる勇気をもつと、人の顔色を気にしないで自分らしくいられる」などと助けになった人も多いことでしょう。
これはこれで、大切なことと思います。
ただ、「課題の分離」は、人間関係に悩む人の「最終解決策」ではないのです。
参照 超訳アドラーの言葉より 岩井俊憲編訳