生理痛と東洋医学の考え方:薬に頼らないセルフケア

生理痛がひどく、毎月薬を飲まないと乗り切れないというお悩みを、最近何人かの患者さんからお聞きしました。生理痛は多くの女性にとって辛いものですが、東洋医学ではその痛みの原因や対処法を少し違った視点で考えます。

◆東洋医学で見る生理痛の原因
東洋医学では、生理痛が現れる時期によって体の状態を「実(滞り)」と「虚(不足)」の2つに分けて考えます。

◯生理痛が1〜2日目に強く現れる場合
これは「実(滞り)」の痛みとされ、体内の血や気(エネルギー)の流れが滞り、循環が悪くなることで起こる痛みです。

◯生理痛が3日目以降に現れる場合
これは「虚(不足)」の痛みとされ、体内の血や気(エネルギー)が不足し、身体が弱っている状態になることで起こる痛みです。

◆生理痛タイプ別の対処法
◯実(滞り)の痛みには
血や気の循環を改善することが大切です。血行を促進する施術やセルフケア、運動などが効果的です。

◯虚(不足)の痛みには
足りないエネルギーや栄養を補うケアが必要です。体を温めたり、必要な栄養をしっかり摂取して、体力を補うことが大切です。

◆ 生理痛を和らげる万能のツボ「三陰交」
どちらのタイプの生理痛にも効果が期待できる万能のツボ、それが「三陰交(さんいんこう)」です。三陰交は、足の内側にあり、血やエネルギーの流れを整える効果があり、生理痛の緩和に役立ちます。

◯三陰交の場所
足の内側、くるぶしの内側から指4本分上にあります。押すと少し痛みを感じる部分が目安です。

◯セルフケア方法
・手軽なツボ押し
ツボの押し方は親指の腹を使って5秒間、ご自身が痛気持ちいいと感じるくらいの強さで押します。これを左右それぞれ5回ずつ繰り返します。
お風呂の中や寝る前に行うとリラックス効果が高まります。

・お灸
お灸を三陰交に当てることで、体を内側から温め、痛みを和らげます。お灸は心地よい熱を感じる程度で行い、リラックスできる環境で使用するのがおすすめです。

生理痛が辛いとき、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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