産後の身体はがんばり屋さん

最近、帝王切開をされたママ2人の施術をさせていただく機会がありました。
お話を聞き、身体に触れてみて、改めて感じたのは、
「ママたちは、本当にがんばっている」ということ。

お腹にはまだ傷が残り、筋肉もうまく働かない。寝不足が続き、思うように回復しない身体…。それでも赤ちゃんのために、毎日全力で向き合っている姿に、私は尊敬の気持ちでいっぱいになりました。

でも、がんばるママほど、自分の限界に気づきにくいものです。
「これくらい大丈夫」と思ってしまう前に、少しだけ立ち止まって、自分の身体に目を向けてみてほしいなと思いました。

先日参加した産後ケアの勉強会で、とても印象に残ったお話がありました。
「身体の適応能力は“コップ”に例えられる」というお話です。

この“コップ”に注がれる水は、日々の生活習慣やストレス。
例えば、睡眠不足、運動不足、栄養の偏り、心の疲れなどです。

水が少しずつたまっていき、コップからあふれたとき、
身体は限界を超えて「痛み」や「不調」というサインを出します。

大切なのは、「まだ大丈夫」と思っていても、あと一滴であふれることがあるということ。
見た目は元気そうでも、コップの中はギリギリかもしれません。

だからこそ、早めに気づいてケアすることがとても大切になります。

妊娠・出産を経たママの身体は、赤ちゃんを守るために“より大きなコップ”を持っているような状態です。

帝王切開や会陰切開で身体にダメージがあっても、
腹筋や骨盤底筋がうまく働かなくても、赤ちゃんを抱っこしてお世話ができてしまうのは、
身体が「赤ちゃんを守るためにがんばってくれている」から。

でもその分、自分では気づかないうちに限界を超えてしまいやすいです。
そして、一度不調が出てしまうと、回復には時間がかかることもあります。

赤ちゃんのお世話に一生懸命な毎日。
でも、自分の身体を守ってあげられるのは、ママ自身です。

  • 少しでも眠る時間を確保する
  • 栄養をしっかり摂る
  • 頼れるときは無理せず人に頼る
  • 身体の違和感を放っておかない

「私はがんばりすぎていないかな?」
「今、私のコップにはどれくらい水が入っているかな?」

そんなふうに、自分に問いかける時間を持ってみてもらいたいなと思います。

ママが元気でいることが、赤ちゃんにとっていちばんの安心。どうかご自身の身体にも、やさしく目を向けてあげてください。

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