同じ「皮膚のかゆみ」でも原因は異なる

主訴:皮膚のかゆみ/30代のAさん・40代のBさん

Aさん・Bさんお二人とも働く子育て中のママ。仕事に育児に日々忙しく過ごされています。

共通する主訴は「皮膚のかゆみ」。
一見、同じ症状に見えますが、東洋医学では【原因】を見極めることがとても大切。
今回のお二人も、原因が異なるため、治療方法も変わってきました。

【Aさん】頭はフル回転、体は座りっぱなし
→ 血熱(けつねつ)

Aさんはデスクワーク中心のお仕事で、日々頭は忙しく働いていますが、体はほとんど動かさず座りっぱなし。
頭に熱がこもり、体全体の気血の巡りが乱れていました。
このような状態を、東洋医学では「血熱」と考えます。
体にこもった熱が皮膚に現れ、かゆみとなって出てきています。

Aさんには、「熱を冷ますこと」「全身の巡りを良くすること」を治療のポイントとし、上半身には鍼をして熱を発散させ、足はお灸で温め、体のエネルギーと血を下へ流すように整えました。さらに、カッピング(吸い玉)を使って全身の巡りを整えました。

【Bさん】疲れやすく、顔色もすぐれない
→ 気血両虚(きけつりょうきょ)

Bさんは慢性的な疲労感と寝ても疲れが取れない感覚を訴えていました。
このような状態を、東洋医学では「気血両虚」、エネルギー(気)と血液(血)の両方が不足している状態と考えます。
肌を守る力が弱まり、ちょっとした刺激でもかゆみが出ていました。

Bさんには、「体のエネルギーと栄養を補うこと」を治療のポイントとし、お腹や足にある“気と血を補うツボ”に鍼をしたり、温かいお灸で体を内側から温めました。
また、食事や睡眠・運動の生活習慣についてもアドバイスを行い、体の中から肌を整えることを目指しました。

西洋医学では「抗ヒスタミン薬」など、症状に対する対処が中心になりますが、
東洋医学では「なぜその症状が出ているのか?」という【根本原因】を探り、それに合った施術を行います。

皮膚のかゆみひとつでも、体質や生活習慣によって原因はさまざま。
だからこそ、じっくりお話を伺いながら、その方に合った治療を一緒に見つけていくことを大切にしています。

この記事を書いた人

目次