主訴:腰とお尻の痛み/80代女性
季節の変わり目に、ひとりで衣替えを頑張ったという80代の女性。
「沢山無理をしてしまって…」とお話しされ、腰とお尻に痛みが出て、特に立ち上がるのがつらいとのことで来院されました。
整形外科では「骨には異常なし」と言われたそうで、ご自身では「使い過ぎた筋肉痛かな」と感じておられたようです。
東洋医学では、このような頑張り過ぎが「気血(きけつ)の巡り」を滞らせ、痛みやだるさを引き起こすと考えます。
特にご高齢の方は、疲れや冷えの影響を受けやすく、巡りのバランスが崩れやすくなります。
初回は、全身の巡りを整えながら、痛みの出ている腰やお尻を中心に施術を行いました。施術後には「腰が軽くなった」と笑顔が見られ、私も安心しました。
「だいたい3回くらいで良くなると思います」とお伝えし、1週間後のご予約をいただきました。
ところがその週末、ご友人とのお出かけでなんと1万歩も歩かれたとのこと!
その結果、再び動けないほどの腰の痛みが出てしまい、予定より早くご来院されました。
このような急な筋肉の疲れには、早めのケアがとても大切です。
今回は、できるだけ身体に負担をかけないよう、必要最小限の刺激で、1か所だけ鍼を行いました。
すると、施術後には「立ち上がるのが楽!」と笑顔に。
「もう無理はしません」と笑ってお帰りになったのが印象的でした。
この方は、ご家族(息子さんご夫妻とお孫さん)のご紹介でいらっしゃいました。
施術後には、趣味の刺し子で作った素敵な作品と、お手紙までいただき、私の方が元気をいただいてしまいました。
年齢を重ねると、つい「年のせいかな」と思ってしまいがちですが、体の巡りを整えることで、今ある力をしっかり引き出すことができます。
無理をせず、元気に動き続けられるよう、これからもサポートしていきたいと思います。