足のむくみを東洋医学で考える:腎陰虚

主訴:足のむくみ/50代女性

月に1回、メンテナンスで通院されている方。

今回は「足のむくみがいつもより強い」とのことでした。

全身を確認すると、肩や腕に緊張があり、足の内側(脾経)のラインには圧痛がみられました。また、下半身は冷えよりもむくみが目立っていました。

足の内側を通る脾経は、東洋医学では水分代謝や消化吸収とも関係が深い経絡と考えられています。

東洋医学では、症状だけでなく生活習慣も含めて原因を考えます。

今回、私が関係していると考えたのは、

・深夜まで続くお仕事

・冷房の効いた部屋での長時間勤務

・デスクワークで頭を使う時間が長いこと

これらの影響で、頭や上半身には熱がこもり、下半身は冷えやすくなり、「上熱下寒(じょうねつげかん)」という状態。

上半身と下半身のバランスが崩れることで、気血の巡りが滞り、むくみにつながったと考えました。

今回、もう一つ印象的だったのが、

「最近、塩辛いものが無性に食べたくなる。」

というお話でした。

東洋医学には「五味」という考え方があり、体のバランスが崩れると特定の味を好むことがあるとされています。

肝(木)…酸味

心(火)…苦味

脾(土)…甘味

肺(金)…辛味

腎(水)…鹹味(塩辛い味)

塩辛いものを欲していたことから、今回は「腎」の働きが弱くなっている状態も考えました。

体の潤い(陰)が不足して熱を冷ませない「腎陰虚(じんいんきょ)」の状態が重なり、熱がこもりやすくなっていたと考えました。

東洋医学では、このように「陰陽」や「虚実」を組み合わせながら、身体全体をみて施術を行います。

◆日常生活でできるセルフケア(生活習慣・食養生)

今回のような陰虚の場合、「体の潤いを補い、身体のバランスを整えること」が大切です。

① 睡眠をしっかりとる

特に23時〜午前3時は、東洋医学では体を養う大切な時間帯(陰の時間)と考えられています。

② 食事で体を整える:黒・体を潤す食材を取る

黒豆、黒ごま、きくらげ

山芋、れんこん、豚肉

これらは体に潤いを与え、「腎」を養う食材として知られています。

唐辛子やコショウ、にんにくなどの刺激が強い香辛料は、体を温めすぎて潤いを消耗しやすいため、摂りすぎには注意が必要です。

足のむくみは、単に水分がたまっているだけではなく、生活習慣や五臓が関連していることがあります。

鍼灸で身体を整えるだけでなく、ご自宅でもできることをお伝えしながら、一緒に改善を目指していきたいと思います。

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