胃痛・食欲不振を東洋医学で考える:脾気虚

主訴:胃痛・食欲不振/10代男性

1か月前の6月頃から胃痛が続き、食欲も低下し、体重が3kg減少したとのことで来院されました。

病院を受診されましたが、特に異常はなく、お薬の処方もありませんでした。

ご本人とお母様にお話を伺い、身体の状態を確認すると、お腹の冷えや全身の緊張がみられました。

身体が緊張した状態が続くと、自律神経は「戦うモード(交感神経優位)」になりやすくなります。

この状態では胃腸の働きが低下し、食べ物を十分に消化・吸収しにくくなるため、胃痛や食欲不振などの症状が現れることがあります。

反対に、「リラックスモード(副交感神経優位)」になると、胃腸は本来の働きを取り戻し、消化・吸収が行われやすくなります。

東洋医学では、身体のエネルギーである「気」が不足した状態を気虚と考えます。

気が不足すると、疲れやすい、食欲がわかない、回復しにくいなど、さまざまな不調が現れることがあります。

その中でも今回は、胃痛や食欲不振が主な症状であったことから、胃腸の働きを担う「脾」の機能が低下した脾気虚の状態と考えました。

東洋医学では、「脾」は食べたものを消化・吸収し、身体に必要なエネルギー(気血)を作る大切な役割があると考えられています。

また、症状が出た時期は梅雨の時期でした。

東洋医学では、梅雨のように湿気の多い季節は「湿邪」の影響を受けやすく、特に脾胃の働きが低下しやすいと考えられています。

今回は、食欲不振や身体の状態に加え、季節の影響も重なり、脾気虚の状態になったのではないかと考えました。

施術は、胃腸の働きを助け、自律神経のバランスや全身の血流を整えることを目的に行いました。

施術後には、最初は冷たかったお腹が温かくなり、身体の緊張も和らいでいました。

胃痛や食欲不振は、胃だけの問題ではなく、生活習慣やストレス、季節の影響など、身体全体のバランスが関係していることがあります。

東洋医学では、症状だけを見るのではなく、身体全体の状態を整えていくことが改善への第一歩だと考えています。

◆日常生活でできるセルフケア(生活習慣・食養生)

今回のような気虚の場合、「体を休めてエネルギー(気)を補い、胃腸の働きを整えること」が大切です。

① しっかり休息をとる

・頑張りすぎず、何もしない時間をつくる
・夜は早めに就寝し、身体をしっかり休ませる
・湯船にゆっくり浸かり、心身をリラックスさせる
・お腹が冷えているときは、腹巻きや湯たんぽなどで温める

② 温かく、消化の良いものを食べる

胃腸に負担をかけない、バランスの良い食事を心がける。

おすすめの食材
・生姜、山椒、唐辛子
・味噌や納豆などの発酵食品
・肉や魚などのたんぱく質
・暖かいスープやおかゆ

③ よく噛んでゆっくり食べる

よく噛むことで胃腸への負担が減り、消化・吸収を助けます。

病院で「異常はありません」と言われても、不調が続くことがあります。

そんな時は、東洋医学の視点で身体全体を見てみると、新たな原因や改善のヒントが見つかるかもしれません。

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