メタボリックシンドロームのメカニズム(2)アディポサイトカイン編

メタボリックシンドロームの原因である内臓脂肪が蓄積すると、脂肪細胞が肥大・増殖し、アディポサイトカインの分泌異常が起こります。これが動脈硬化を促進し、糖尿病・高血圧・脂質異常症を発症させ、悪化させる原因です。

内臓脂肪がたまるとアディポサイトカインという物質の分泌異常をおこします。アディポサイトカインは本来、脂肪細胞から分泌され、脂質代謝や代謝を円滑にする働きの生理活性物質をいいます。アディポサイトカインには、レプチン・アディポネクチン・TNFαPAI-1・アンジオテンシノーゲンなどがあります。

レプチン

食欲を抑える働きをしていて、たくわえている脂肪が増加すると分泌が高まって食欲を低下させ、肥満を防いでいます。

しかし脂肪がたまりすぎると、レプチンの分泌が過剰になっても満腹中枢が適切に反応しない状態となります。これをレプチン抵抗性といいます。そのためにさらに食べ過ぎ、太りすぎになっていくのです。

アディポネクチン

傷ついた血管壁を修復する働きをしていて動脈硬化を予防するほか、インスリンの働きを高める作用、血圧を低下させる作用などがあります。内臓脂肪が増えると、アディポネクチンの分泌が減少し、動脈硬化を防ぐ働きが低下しますし、インスリン抵抗性の状態を引きおこし、血糖を上昇させます。

TNFα(ティエヌエフアルファ)

インスリンの働きを妨げる作用があります。内臓脂肪が増えると分泌が高まり、インスリン抵抗性をもたらし、糖尿病を引き起こしたり悪化させる一因になります。

PAI-1(パイワン)

内臓脂肪の増加とともに分泌が高まり、血栓ができるとそれを融解させるプラスミンの働きを妨げ、血栓を大きくし、血流をさえぎる状態をつくります。メタボリックシンドロームでは、脂質異常症高血圧・糖尿病があって動脈硬化が進行しますので、そこに血栓のできやすい状態が加われば、心筋梗塞や脳梗塞の危険が高まります。

アンジオテンシノーゲン

血圧を上昇させる作用のアンジオテンシンの分泌を高めます。内臓脂肪がたまると分泌が増加して、血圧を上昇させ、高血圧を招く一因となります。

このようにメタボリックシンドロームによって起こるアディポサイトカインの分泌異常は、糖尿病を引き起こしたり悪化させたりし、また高血圧を助長するのみならず、直接的に動脈硬化の進行を促進するため、心臓病や脳卒中の危険を高めるのです。

メタボリックシンドロームのメカニズム

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https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-02-002.html