睡眠・覚醒リズム障害

ヒトの体内時計の周期は約25時間であり、地球の周期とは約1時間のずれがあります。

このずれを修正できず、睡眠・覚醒リズムに乱れが生じたために起こる睡眠の障害を概日リズム睡眠障害と呼びます。

●ヒトの睡眠・覚醒リズム

私たちは日常生活において、さまざまな刺激を受けることにより、体内時計が外界の周期に同調して約1時間のずれが修正され、その結果24時間周期の環境変化に従って生活することができています。

この刺激のことを同調因子といい、もっとも強力な同調因子は光であることがわかっています。

ヒトでは朝の光は体内時計を早め、夕の光は体内時計を遅らせることがわかっています。したがって朝に太陽の光を浴び、食事を摂り、学校や仕事に行くことなどによって、体内時計の周期が早められていると考えられます。

●体内時計の調節異常

この体内時計の周期と外界の24時間の周期との間のずれをうまく修正できなくなった時に睡眠・覚醒リズムに乱れが生じます。昼と夜の明暗周期に合わせて生活していれば、このずれを修正しやすいと考えられますが、現代社会はコンビニエンスストアなど24時間体制で動いており、夜に明るい照明の下に過ごすことも多くなりがちであり、このずれを修正しづらい環境であると言えるでしょう。

このように体内時計の周期を外界の24時間周期に適切に同調させることができないために生じる睡眠の障害を概日リズム睡眠障害といいます。

概日リズム睡眠障害の中で多くの人が経験するものとして、時差症候群(時差ぼけ)があげられます。地域を急速に移動して日本の昼と夜の時間帯が逆転したところへ旅行した場合、体内時計の昼の時間に眠り、体内時計の夜の時間に起きていなければならず、眠気や頭痛・倦怠感・食欲不振などの身体的な不調が現れてきます。

●概日リズム睡眠障害

概日リズム睡眠障害は、大きくふたつに分けられます。ひとつは人為的・社会的な理由により体内時計を短期間にずらさなければならない場合に起こるものです。先ほど述べました時差症候群および交代勤務睡眠障害がそれにあたります。もうひとつは体内時計が外界の周期に同調する機能に問題がある場合に起こるもので、内因性概日リズム睡眠障害といいます。内因性概日リズム睡眠障害としては、深夜にならないと寝付けず昼頃まで起きられないという睡眠パターンが固定してしまう睡眠相後退症候群、反対に夕方になると眠ってしまい早朝に目が覚める睡眠相前進症候群、寝付く時刻と目が覚める時刻が毎日30分~60分ずつ遅れていく非24時間睡眠覚醒症候群、睡眠と覚醒のリズムが見られなくなってしまう不規則型睡眠覚醒パターンがあります。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-006.html