身体能力と遺伝(遺伝子多型)

持久的能力や筋力といった身体能力には、一部に遺伝的要因が関与していることが明らかとなっています。

優れたアスリートになるためには、優れた遺伝子が必要なのか?こんな疑問はスポーツ選手やその関係者であれば誰もが関心を寄せる題材であると思います。1991年にエリスロポエチン受容体と呼ばれる遺伝子に変異がある家族性赤血球増加症を呈する家族についての研究が報告されました。このとき偶然にも、この疾患の家系における発端者は高いヘモグロビン値や赤血球数を示すもののすこぶる健康であり、さらには冬季オリンピックのクロスカントリー競技において3回のゴールドメダルリストであり、世界選手権においても2回の優勝を飾っている選手だったことが分かりました。これはおそらくクロスカントリーという種目が高い持久的能力を要求し、それに彼の高いヘモグロビン値や赤血球数から来る高い酸素供給能力がマッチしていたためと考えられます。これは遺伝子における違いが、運動能力に影響する可能性を示した例と言えます。

しかしながら一方で、人の身体能力は遺伝的要因のみにより決定されるわけではないことを十分認識しておくことも重要です。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-03-003.html