訪問治療でお伺いしていると、気持ちが落ちている時ほど、体の痛みやつらさを強く感じている場合が多いと感じます。
東洋医学には「心身一如(しんしんいちにょ)」という考え方があります。
心(精神・感情)と体(身体)は切り離せない一体のもので、お互いに強く影響し合っている、という考え方です。
東洋医学の原典『黄帝内経』には「七情が臓腑を傷る」とあり、感情そのものが悪いのではなく、同じ感情が強く続いたり偏ることで、内臓(五臓)の働きを乱すと考えられています。
感情が偏ると、体は無意識のうちに緊張し、気や血の巡りが滞りやすくなります。その結果、体の回復力が落ち、痛みを感じやすくなります。
例えば、
怒りやイライラが続くと「肝」に負担がかかり、
喜びや興奮が続きすぎると「心」に影響します。
考えすぎや悩みすぎは「脾(胃腸)」を弱らせ、
気分がふさぎ込んだり悲しみが続くと「肺」が影響を受けます。
強い不安や恐れは「腎」を消耗させ、
突然の強いショックは「心」や「腎」に影響するとされています。
感情をなくすことはできませんが、感情が一方向に偏り続けることは、体に負担をかけます。東洋医学では、心と体の両方を整えることが、回復への近道だと考えています。
私は訪問治療に伺う際、痛みを少しでも軽くすることはもちろん、その時間が少しでも安心でき、気持ちが和らぐ時間になることを大切にしています。また、体の良い変化や今できていることを一緒に確認するよう心がけています。
「今は外出が難しい」「体も気持ちも整えたい」そんな時に、ご自宅で安心して受けていただける訪問治療という選択肢があることを知っていただけたらと思います。