ギブス固定と筋委縮

【要約】

ギブス固定による筋萎縮を最小限にとどめるためには、固定されていない部位の筋肉については、動かせる範囲で早期より動かす事が大切。

(詳細)

筋肉の性質については3つの原則がある。

それは、筋肉は使わなければ衰え、使えば向上し、使いすぎるとだめになるという原則である。

筋肉が使うと向上するのは主に筋肉が肥大するためであり、使わないと衰えるのは主に筋肉が萎縮するためである。

筋肉の萎縮は大きく次の3つに分類される。

運動神経の障害による筋萎縮

筋肉自体の疾患による筋萎縮

ギプス固定などで運動が妨げられることによって起こる筋萎縮(廃用性萎縮)

廃用性筋萎縮は固定後6時間ですでにみられるという報告があり、分解の亢進は3日から1週間で起こるという報告がある。

つまり、まず筋肉のタンパク質の合成の低下が起こり、続いてタンパク質の分解が起こって筋肉が萎縮していくようである。

固定の肢位、またギプス固定の肢位の状態で筋萎縮の程度は異なり、筋肉を短縮した状態で固定するより伸張した状態で固定したほうが筋萎縮は起こりにくいとされている。

いずれにせよ、こうした廃用性筋萎縮を最小限にとどめるため、固定されていない部位の筋肉については、等尺性運動などを早期より開始する。

参考文献 筋委縮のメカニズム

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