事実と解釈を切り離す

友人Aと認知行動療法のワークをする中で、同じ事象に対して、同じ考え持つこともあれば、真逆の考えを持つ場合もあることや、自分自身の思考の中でも、考え直すとなぜそんな風に考えたのかと疑問を持つ機会が何度もありました。

なぜこのようなことが起こるのかを考えてみると、【事実】と【解釈】を混同していることに気づきました。

【事実】と【解釈】の言葉の意味を小学国語辞典で調べてみると、

【事実】:本当にあったことがら。

【解釈】:①言葉・文章などの意味や内容をはっきりさせること。②あることがらを自分なりに考えること。

と記載されていました。

具体的な例として考えると

【事実】:気温30℃

【解釈】:暑い

気温30℃は誰が見ても変わりませんが、気温30℃を暑いと感じる人もいれば、過ごしやすいと感じる人もいます。

つまり、

【事実】:客観(誰がみても同じ、ひとつ)

【解釈】:主観(人によって変わる、人の数だけある)

ということが理解できました。

そして、対人関係になると【事実】≠【解釈】ではなく、【事実=解釈】と混同してしまうことが多いのではないかと感じます。

例えば、

AさんがBさんにメールを送ったが、Bさんから返信がなかった。AさんはBさんは私のことが嫌いなのかもしれない。自分は価値のない人間だと感じた。

ここにある【事実】は「Bさんから返信がない」だけです。

しかし、Aさんは「返信がない=私のことが嫌い」「嫌われている=価値のない人間だ」という【解釈】をしています。

解釈が解釈を生み出し、この解釈が悩みを生み出すことに繋がっているのではないかと思います。

人は解釈する生き物なので、解釈せずにはいられませんが、解釈が解釈を生み出し、さらには悩みを生み出しているとしたら、【事実】と【解釈】を切り離して考える練習をすることで悩みを解消できるのではないかと思います。

いきなり頭の中だけで【事実】と【解釈】を切り離すのは難しいので、私は悩んだ時は書き出して、これは事実なのか、それとも解釈なのかを整理し、【事実】と【解釈】を切り離す練習をしていきたいと思います。

この記事を書いた人

目次